「善い会社」ランキングとブラック企業

先日日経ビジネスが発表した「善い会社」ランキングに、ブラック企業として槍玉に挙げられる事が多いユニクロがランクインしていますね。
ユニクロに関して言及する前に、このブログでは「ブラック企業」を次のような定義で扱っています。

  1. 労働関連以外の法律に違反している企業
  2. 労働関連の法律に違反している企業
  3. 採用時の説明と実際の労働環境が全く異なる企業
  4. 採用に際して意図的に被用者の誤解を招く説明がされている企業

ただし、2番に関しては例外が有ります。世の中には色々な働き方が有っていい筈で、たとえば、長時間働いてお金を稼ぎたい、だとか、スキルをどんどんためて行きたい、とか。そんな人に働くな、と言うのは変な話です。
逆に、労働基準法に反する長時間労働の説明が採用時にされている企業に、その点において「ブラック企業」のレッテルを貼る事は出来ません。
要は、雇用者と被用者の意思が合致していていれば詐欺や殺人でもしなければブラック企業にはなれない、という事ですね。

さて、記事に戻ってみましょう。

初公開、「善い会社」ランキング あなたの会社は何位ですか?

 日経ビジネスは2月9日号の特集で、上場企業約3800社を対象に「善い会社」をランキングし、上位100社を発表した。「良い」ではなく、あえて「善い」という漢字を使ったのは、単に「業績が良い会社」にとどまらず、「道理にかなっている会社」という意味を込めたかったからだ。

つまりこの「道理にかなっている」というのが、「どんな道理か」という所が大切なワケですね。

 当然ながら、民間企業は「営利組織」である。それでも、自己の利益のみを追い求める経営は長続きしない。下請け会社に無理なコストダウンを求め、従業員をいとも簡単に切り捨て、工場の環境負荷軽減や製品の安全性追求などにコストをかけなければ、一時的に業績は向上するかもしれない。しかし、長期的には周囲から敬遠され、結局のところ、好業績は長続きしない。このような企業は、善い会社の対極に位置付けた。

その「道理」は経営、という事みたいです。すっごく簡単に言うと株を買いたく無いか、買いたいか。んでもって法律に反して無いか。単純な事ですね。そこでコチラの記事。柳井氏のインタビューですね。

ユニクロ柳井氏「善い会社」ランキング2位に満足げ 「ブラック企業と呼ぶ人は間違っている」

ユニクロを巡っては先月1月に、中国工場の劣悪な労働環境がNGOによって指摘される騒動があった。これについては、NGOの指摘を受けて「びっくりした」とコメント。劣悪な労働環境を見抜けなかったことは「非常に残念だ」とするが、これを取り上げて「やっぱりブラック企業だ」とすることに対しては反論する。

「当社には全世界に100社ほどの取引先がある。その一部の事象を取り上げて、全体に問題があるかのようの批判するのはおかしい」

ざっくり纏めて言うと
「りんご箱買売りしたら1つや2つ駄目なの入ってそうじゃん」(それ減らそうとするのが経営だけど、コストに合わないなら減らさなくてもいーっしょ)
ってトコロでしょうか。もっとも実態が、全部腐ってるのか、本当に一部なのか、知る由も有りませんが…笑

ホワイトカラー・エグゼンプション?

「法改正で残業代がゼロになるから年収が減る!」

と、とても単純化した話が起きていますね。労働関連法の改正で多くの人がリスクを被る事になりそうですが、資本主義経済の仕組みを考えると、とても全うな話でも有ります。

「会社のためにならない残業は金払わないよ!」というスタンスを会社が取り易くなるだけですから。無い袖は振れない、という分けです。

「会社の利益に貢献しているけど見合う額が貰えない」となれば、辞めればいいのです。
「残業が多いけど、とても貴重な体験をしているからお給料が上がらなければ良い」と思えば、そのまま居れば良いのです。

「ウチの会社は残業が多く追加の利益も出ているのに従業員に還元されていない、上長に掛け合おう、会社を変えよう」と思うのならば、またそれも良し。

さて、この制度が導入されて一番不利益を被るのは「会社に飼われているのに金だけ要求する従業員」と言えるでしょう。いわばブラック企業ならぬ、ブラック社員ですね。そんな考えで居るより、「結果を出したのだから相応の給料をとる。それが出せないのなら辞める」そんなスタンスで働きたい人に取っては、とても良い制度と言えるのでしょうか。
そのためには目先の仕事だけでなく、会社の財務状況まで常に把握しながら、目先の仕事1つ1つに利益率を求めて行く人にはピッタリでしょう。いわゆるベンチャーには良く有る体制です。

*もちろん利益そのものは生み出さない部署(総務や経理等々…)や、サポートセンター等は会社の仕組みを作る上で欠く事の出来ない存在ですから、各会社各々が労働を”現金に換算して考える仕組み”が必要ですね。各社にはその手腕が問われます。
つまり纏めて簡単に言うと、被用者の立場から見て、会社の善し悪しがハッキリ解る法律になる、とも言える訳です。

“何をもってブラック企業とするか”という議論ととても良く似ていますね。

景気は上向きになってきた?

ブラック企業という言葉が廃れ、随分時間が経ちました。最近では選挙でも”ブラック企業”という言葉を聞かなくなりましたね。それだけ、定着したという事なのか、熱が冷めたということなのか…

この言葉が下火になっている一番の理由は、景気の回復(感)にあるでしょう。
オリンピックも決まり、実態はともかく何となく上向きな雰囲気。それが”会社で有ったちょっと辛い事”を、ブラック企業というワードに転嫁しなくて良くなったという事でしょう。

戦後日本のサラリーマンは随分と苦労してきました。もちろん職場トラブルが元になった自殺や鬱なども有ったでしょう。しかし(今より悪い労働環境であると思える状況で)”ブラック企業”と同等の言葉が流行らなかったのは、社会の雰囲気に依るものなんですね。

オリンピックまでは、今のような状況が続くでしょうか。はてさて、日本の労働環境はその後どうなっていくのやら…

ブラック企業情報。就職・転職の参考に。